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2005年8月末日
台風の大雨による某所地滑り崩落現場
とある災害調査に同行させていただきました。
今回は、崩落箇所の横断観測が目的で、TraceMasterの横断オプションの納品説明も兼ねての現場同行です。
ところが、現場に行くまでが一苦労!!
延々と山道を走り、車を置いて、さらに徒歩で現場へ・・・当然道がないので渓流に沿って現場を目指しました。

現場に到着して、災害現場を見上げた瞬間 『まさに、猿も行かない現場!!』
打合せの末、あまりにも危険なので、TraceMasterを持って崖の上は断念しました。
結局、通常のトランシット横断で行い、野帳に記入することになりました。
(納品説明で同行したのに、どうしようもありませんでした)

崩落現場全景
崩落現場全景
崩落現場下
崩落現場下


このような危険な箇所を、どう安全に作業するか!?

・ノンプリズム光波を使う
・地上レーザープロファイルを使う

などありますが、

・ノンプリズム光波では、斜面の色合いなどから返ってこない場合もありえる、また、傾斜がきついので上に行かないと変化点がわかりずらい
・地上レーザープロファイルでは、機材をどうやって現場に運ぶか(人が登るのがやっと)

と中々うまい方法が見つかりませんでした。
大手の航測だったら、航空レーザーで処理するだろうなぁとグチを少々こぼしてしまいました。


2007年9月某日
1マンによる平面測量現場
台風が接近する中、市街地の平面現場にお伺いさせていただきました。
MultiXと自動追尾光波を駆使して、1マン測量を行っておられます。今回は、自動追尾を使った1マン測量の利点・改善点などをお聞き
しました。

<現場風景 その1>

光波との距離が離れれば離れるほどターゲットの追尾能力は上がります。(300mは大丈夫のようです)
このように近いと少々苦手な様子で、ターゲットがはずれたビープ音がしばしば聞かれました。

<現場風景 その2>

自動追尾光波の問題点として、追尾ターゲット(ミラー)を見失ったときの再認識があります。
ターゲットを再認識させる時間がもったいないので、このように見通しが悪い場合は、光波をミラーの方に向けるサブの人間がどうしても必
要になります。また、常にターゲットを光波から見える様に持つのも大変です。(そんな事に意識を割きたくないが本音と思いますが)

<現場風景 その3>

見通しの良い場所では、道路、生垣などマルチラインで問題なく観測できていました。


自動追尾光波を使用して平面測量を行う時の、

【利点】
・技術者が1人で良い
・自分の好きなように歩ける

【欠点】
・ターゲットを見失ったときの、再認識までの時間がかかりすぎる
・高低差があると、追尾能力が悪くなる。

【改善点】
・ターゲットを見失ったときの、再認識までの時間がかかりすぎる
・少ない測定で図化できるコマンドが必要(家屋3点モードなど)

以上のような現場での感想になりました。

弊社では、今後、ソフトで補える部分の改善を行っていき、光波との連携を深めることで、現状よりもっと効率的な現場を実現できるよう努
力していきます。


2007年9月某日
Bluetooth無線の効果テストの平面測量現場
八重洲無線(現バーテックス)YRM-211Tをご使用のお客様により効率アップのご提案を兼ねて、当社推奨のBluetooth無線通
信のテストで平面の現場にお伺いしました。
MultiXとTOPCON製光波で現場に出られておりました。(他に、TOPCON製別機種とSOKKIA製光波を保有されています)

<現場風景 その1>

農道改良工事の現場で3名で測量されていました。
やはり一番の利点は測距スピード(MultiXの測定コマンドを実行して、測距後に画面に座標が表示されるまでの時間)が速い点で、ポ
ールマンのいらいらも解消されていました。

特にTOPCON製の光波の場合は、通信にENQ/ACK制御を行っていますので、機種によりタイミング調整を行わないと光波側に【E82】
エラーが頻繁に出てしまいます。
全二重のPHSトランシーバーモードやBluetoothではこれが解消されるので直結とほぼ同じスピードになります。

<現場風景 その2>

PHSトランシーバー通信と比較しても、電話をかける作業が無かったり、ケーブルが多く煩雑になりがちな部分もすっきりしていて大変便
利との感想でした。

単純計算ですが、1点測定するのに7秒かかったものが4秒で測定できるとすると、3秒短縮できることになります。
1日400点測定するとして、20分の作業時間軽減になります。現場作業の短縮がコストダウンに繋がるので、少しでも早いものを求めら
れるお客様の声に納得しました。

Bluetooth無線通信の利点

・測距スピードがほぼ直結と同じ
・軽い
・光波側、コンピュータ側の固定がない(どちら側でもok)
・乾電池で動作するので、いざと言う時に何とかなる(製造中止になってもバッテリー供給の心配がない)


2008年6月某日
砂防基盤図 細部調査の現場
航測の細部調査の現場に同行しました。航測図化は3次元で行っています。
3次元DMをインポートし、RTKで細部測量を行う目的で現場に行きましたが、GPSが中々フィックスできない環境で、急遽、GPSで
基準点を設置し、光波で細部測量を行うことにしました。
砂防ダムの堰堤をGPSで標高を確認したところ、図上の標高とかなり差があることがわかり、堰堤も測量することにしました。

<現場風景 その1>


<MultiXの画面 その1>

航測図化を3DDMでインポートして、別レイヤーで実測しました。

<MultiXの画面 その2>

縮尺は1/2500とはいえ、新しい道路と旧道路が、航測のデータと実測がどんぴしゃ一致しました。

<MultiXの画面 その3>

実測したデータをMultiXの3Dビューワーで確認します。上記の現場風景と確認してください。

<MultiXの画面 その4>

元DMと比較すると、堰堤の標高差がはっきりわかります。

【3D図化】の細部測量も【3D】で行うことにより、

・データの劣化を防げる
・現場で3Dビューワーで確認する事により、形状、取得範囲、など目で見てわかる

など、多々利点があるとの事でした。

MultiXで取得した3Dデータは、また3DDMでエクスポートして元図と合成されます。
これからは、平面的な利用だけではなく、構造物の3次元的な形状、位置の確認にも応用範囲が広がったと感じた現場でした。


2009年11月某日
飛行ルート測定 某空港にて飛行機の測定現場
飛行ルート測定で、某空港にお伺いいたしました。観測点2点から、2台の光波で同時に飛行機を追跡視準します。
かなりの慣れが必要ですが、出発便はまだしも、到着便がやっかいです。

【定点1】


【定点2】


空港無線を傍受(?)しながらですが、英語なので始めは何がなんだか、遠くに小さな物体が・・・・
『あ〜っ!来た』・・・『どこ?どこ?』
次の飛行機が来るまでの待ち時間が・・・何にも無いのでとにかく寒いです。
解析はソフトが自動的に行いますので、お客様の仕事としては測定のみでした。
毎年、もしくは年数回あれば慣れも早いのにと思った現場でした。

離発着が多い空港だと、1機降りてきている後ろに、もう1機が!!
こんな事態に対応できるよう、1台のコンピュータで2台の光波のデータを受けられる仕様になってます。

測定時間は、2〜3分ですが、測角データが1秒毎に記録されますので、かなりのデータ量になります。
これを手作業で、対辺計算を行うことを考えたら・・・電子野帳では記録された時秒まではないし・・・

移動体の測定には応用が効きますので、船舶など測定が必要なことがありましたらご相談ください。
ソフトの紹介は、ソフトウェア開発 ⇒ 飛行ルート解析カスタマイズ をご覧ください。